HDRに対応したモニターディスプレイを導入

最近私のブログでは、HDRと言ったキーワードがよく出てきていますが、今、映像において最もホットな話題は、4K/8Kではなく、ビット深度、輝度、色域が向上したことの3点だと言って過言ではないでしょう。だって最近は、大画面で見るよりスマホとかで動画を見ることが多いですよね。そのくらいのサイズですと、4Kで再生してもFHDで再生してもそんなに差が出ないのに対して、ビット深度、輝度、色域は、小さな画面でも大きな差がでるからです。

それぞれを簡単に説明しますと、以下の様になります。

「ビット深度」 = 色・グラデーションのきめ細やかさ

ビット震度とか、1画素が表示できる色の数のことです。ビット深度が高いほど、たくさんの色を表示でき、より自然で滑らかなグラデーションを実現できます。8ビット表示の場合は約1677万色、10ビット表示の場合は、約10億7374万色もの色を再現可能です。これまでは、8ビットが主力でしたが、今後は10ビット、12ビットが主力となります。

「輝度」 = 映像の明るさ

輝度とは、表現できる明るさの範囲のことです。一般に、人間の目が知覚できる明るさの範囲(ダイナミックレンジ)は1012と言われていますが、従来の表示機器は103までの範囲しか表示できませんでした。しかし、HDRによってダイナミックレンジを広げることで、105、つまり従来の100倍もの明るさを捉えることが可能になり、肉眼で見る景色に近い陰影を映し出せます。これが上がるとどうなるかと言いますと、これまで室内から屋外を撮影した場合、室内の物を見える様にすると屋外が真っ白、屋外の物を見える様にすると室内が真っ黒になりましたが、これらが起こりにくくなるのです。下の動画の場合、夕日がしっかり映っているいるのに、船もしっかり見えますよね。これがHDRのすばらしさです(HDR対応機器で見ないと従来の方式になります)。比較すると、従来のテレビとはかなり差がありますよ。



「色域」 = 色彩の鮮やかさ

色域は、表現できる色の範囲のことです。下の図は、今回購入したモニターディスプレイのキャリブレーション(色等を規格通りに修正する機能)画面のRGB表示ですが、この三角形で囲まれた部分が大きいほど、より豊かな色彩を表現できます。
4K/8K放送で標準化されているBT.2020(Rec.2020)は、従来のフルハイビジョン放送で用いられるBT.709(Rec.709)よりも大幅に広い色域をカバーしていますので、豊な色表現が可能になります。


購入したモニターディスプレーのキャリブレーション画面


購入したモニターディスプレーのキャリブレーション結果画面

で、本題ですが、この様に画質が大幅に上げる技術は確立してきたものの、正直それを忠実に表現できる環境がほとんどありません。HDR対応だとか、10bit対応だとか、AdobeRGB対応だとか、4K/8K対応だなんてディスプレイやTVは数多くありますが、全てが規格通りかと言えばそうではないのです。そんな中、私達映像屋がすべきことは、いかに規格通りの絵を作り出し、どんなディスプレイでもそこそこ見える状態にすること。
実は、コンピュータ用のディスプレイで使われている色域sRGBと従来のTV放送で使われている色域BT.709とでもそれなりに差があり、さらにディスプレイの個性等もある為、PCで編集した絵がそのままTV放送で使えるかと言うとそうでもないのです。さらに、今度はHDRだの10bitだのも入ってきて、基準となるモニター無しでは、絵作りが全くできなくなってしまったのです。

そこで購入したのが、EIZOのCG279Xと言うモニターディスプレイです。


CG279X(モニターではなく、ディスプレイとして使用中)

キャリブレーションを行うための機能が標準で付いているため、従来方式であるBT.709の色や明るさ等を正確に映し出すことができます。またHDRなどの最新機能も、フルサポートこそしていませんが、シミュレートしてくれるため、ある程度忠実に絵作りができると言う訳です(本格的に行おうとしたら、300万円近くするリファレンスモニターが必要)。
実はこれまで、編集したものをDVDに焼いてリビングのTVで再生して色や明るさを確認していましたが、それを行う必要が無くなりますし、最新の4Kテレビを購入しなくても、それ用の絵作りができるようになるわけです。

と言うことで、三河国の環境が、また一つグレードアップしました。

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